基本方向と課題

 われわれが家族とともに社会生活を営むための最小の単位は家庭であり、その家庭を運営していく上での基礎となる経済的側面を家計といいます。
 暮らし向きが良くなり、家計が健全に営まれることは、結局、国民経済の円滑な運行につながるものであり、この意味で「経国済民」は、古来からの政治の究極目標でしたし、このことは現在でも変わりません。
 そもそも家計は、労働を供給し、商品・サービスを消費する重要な経済主体でありながら、同じ経済主体である企業や政府にたいして、すべての面で受け身で付随的にしか取り扱われてきませんでした。
 しかし、わが国の経済社会としての成熟化、国際化に伴い、家計の持つ意味は極めて大きくなり、その役割を見直そうとする考えが強まっています。
 このようななかで、単に市場経済妥当の家計経済の研究ではなく、非経済的要因を重視し、これら両者の結びつきを含む家庭のトータルな機能を踏まえて家計の営みを捉え直し、そこに集約的に反映している経済社会の問題を明らかにすることが、本研究所の目指す研究の基本的方向です。

具体的な研究課題

I  家計構造、家計行動に関する調査研究

  1. 1.家計をフローとストック、長期と短期、マネーと実物などの各側面から総合的な把握と家計の量的及び質的構造の明確化。
    ●所得階層  ●資産階層  ●世帯種類  ●職業  ●家族構成  ●年齢  ●地域
  2. 2.家計構造や家計行動の変化をもたらす経済的・非経済的要因との関連の分析。
    ●人口  ●家族  ●雇用  ●時間  ●技術  ●情報  ●制度  ●意識
  3. 3.家計構造や家計行動に関するパネルデータ(個人の長期時系列データ)の開発と分析。

II  家計管理に関する調査研究

  1. 1.生涯生活設計と家計管理
  2. 2.サービス経済化と家計管理
  3. 3.消費者信用と家計管理
  4. 4.家計簿の収集・分析・体系化

III  生活構造の国際比較研究

  1. 1.世界各国と日本との比較
  2. 2.各国間、エリア間比較

IV  消費者問題と消費者教育

  1. 1.消費者問題の事例研究
  2. 2.消費者教育の教材の開発

平成10年4月現在

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